庶民感覚で言えば、老後に2000万円くらい足りないのは、だれもが承知している話だろう。だから、現役時代に一所懸命、貯金しているのだ。当の報告書も平均の金融資産は夫婦世帯で2252万円、単身男性で1552万円、単身女性で1506万円と書いている。
ちょうど不足分に見合うくらいの貯蓄である。テレビは高齢者にアピールしたいから、足りない金額ばかりを強調するが、見ている視聴者の側はしっかりその分、貯めている。国民は愚かではない。テレビの側も実は、そんなことは分かっている。
となると、くだらないのは誰かといえば「100年安心は嘘だったのか」と声を張り上げた野党だ。「貯金ゼロ、年金だけで安心を手に入れよう」などと考えている国民がいると思っているのか。みんな年金と貯金を合わせて、なんとかしようと思っている。
そんな建前で政府を追及するから「野党は頼りにならない」と見切られてしまうのだ。建前を言い募るのは、安全保障問題だけかと思ったら、暮らしの問題でも同じ手口に出てきた。政府与党は「これなら大丈夫」と、ますます自信を深めているに違いない。